こんにちは、奨学金男です。
今回は、「実家に帰る交通費すら痛い」という、誰にでも起こり得るけれど、なかなか共感されにくい現実についてお話ししたいと思います。
私は奨学金の総額が2100万円以上あります。しかも、その奨学金の多くは有利子です。高校2年生のときに父を亡くし、母子家庭で育ち、3浪の末に私立大学の6年制課程に進学して国家資格を取得しました。
私についてはこちらの記事を読んでください。
そんな私でも「地元に帰って親孝行したい」「少しでも実家に近いところで働きたい」という想いは持っていました。実際、地元から電車で通える範囲に就職もしました。でも現実は甘くなかった。帰省するたびに、数千円~1万円近くの交通費が出ていくという「見えない出費」が、じわじわと生活を圧迫してくるのです。
奨学金返済と実家帰省、どっちを優先すればいいのか
私の奨学金は総額で2100万円超。大学の6年間で借りたお金は、利子も含めると月に7万円以上の返済負担になります。返済期間は20年です。
「え、そんなに?」と思った方、はい、本当にそうなんです。
特に私のように私立の医療系・薬学系・歯学系・獣医学系6年制の学部に行くと、どうしても奨学金の額が膨れ上がります。そして、家庭に余裕がないと、生活費や下宿代もすべて奨学金頼みになり、借金総額が爆発的に増えるんです。
この状態で、「お盆や年末に実家に帰ろう」と思っても、交通費が心の重荷になる。そんな人、実はたくさんいると思います。
電車で往復数千円、車なら1万円弱の現実
地元と今の職場は、電車で片道1500〜2000円。往復で3000円〜4000円。これだけなら、まだ我慢できます。でも、帰るたびにこの額がかかるとなると、月に何度も帰省するなんてとても無理。
では車はどうか?
ガソリン代、高速代、駐車場代を考えると、1回の帰省で8000〜1万円。さらに、車の維持費(保険・車検・税金・整備・タイヤ代など)もかかってくる。これを月に1回、年間12回やると…12万円以上の出費になります。
「親に会いたい」「実家の様子を見に帰りたい」と思っても、そのたびにお金の計算をしてしまう。自分の中で“家族の優先度”が下がっているような罪悪感すら感じます。
「親孝行したい」と思えるほどの余裕がない
本音を言えば、母にもっと会いたいです。父を亡くしてから、母はずっと一人で頑張ってきてくれました。私の学費がどれだけ重かったか、家計がどれだけギリギリだったか、今なら少しわかる気がします。
だからこそ、私が就職してからは「何か返したい」「少しでも親孝行したい」と思っています。
でも、現実は違いました。毎月の給料から奨学金を返済し、生活費・家賃・食費・通信費・保険…それらを差し引くと、手元に残るお金は本当にわずかです。
そして、その「わずか」から交通費を出して帰省する。
正直、母に手土産を買う余裕すらないときもあります。車で帰っても、ガソリンが残り少なくなるとヒヤヒヤする。そんな状態で「実家に帰ってきなよ」と言われても、嬉しい反面、苦しい気持ちになるのです。
実家の近くに就職すれば、解決すると思っていた
私が地元の近くに就職した理由は、母のそばにいたいと思ったからです。
「たまには顔を見せたい」「もし何かあったとき、すぐ駆けつけたい」
その想いだけで、就こうと思った職業で、実家に比較的近い勤務地を選びました。
でも、「近い=お金がかからない」ではなかったんです。
地元に帰ろうと思えば、交通費がかかる。しかも、地方は公共交通機関が発達していないことも多く、結局は車が必要になる。都会よりも交通費のコスパが悪いことも少なくありません。
給料と生活と奨学金返済とのバランスがとれない。それが現実でした。
「帰省のために副業をする」なんて話もあるけれど…
SNSでは「副業で稼いで親孝行!」みたいな投稿もたまに見ます。
どれも業者ぽさは感じますが・・・。
でも、正直な話、本業と奨学金返済だけで手一杯な人間にとって、副業をする体力も気力も時間もないんです。
もちろん、将来的には少しでも副収入があればいいとは思います。でも、現実は「帰省の交通費を稼ぐために副業」なんて、悲しすぎる選択肢です。
家族に会うために、もっと働かないといけない。
これはおかしい。でも、それが現実。
交通費が「贅沢品」になる社会で、どう生きるか
交通費すら「贅沢品」になってしまうほど、奨学金返済や貧困の現実は重たいです。
「帰省するお金がない」と口に出せない人も多いと思います。でも、私のように“実家に帰る交通費”すら生活を圧迫する人間がいるという事実は、もっと社会に共有されていい。
「節約すればいい」と簡単に言わないでほしい。
「お金がないなら実家に住めば?」と無責任に言わないでほしい。
奨学金の返済額や生活状況は人によって違います。
それでも、「誰かに会いたい」「帰省したい」という気持ちは、すべての人にあるはずです。
最後に:この記事を読んでいるあなたへ
もしあなたが、これから奨学金を借りようとしているなら。
もしあなたが、すでに奨学金の返済に苦しんでいるなら。
もしあなたが、実家に帰る交通費すら痛いと感じているなら。
あなたは一人じゃありません。
私も同じように、悩みながら生きています。
だから、これからも同じようなテーマで記事を書いていきます。
少しでも「わかる」と思ってもらえたら、嬉しいです。
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