リスキリングにお金は必要なのか?|2100万円の奨学金を抱える私が考える「学び直し」の現実

自分磨き・婚活

こんにちは、奨学金男です。

最近はあまり聞かなくなったような気もしますが、少し前から、「リスキリング(学び直し)」という言葉をよく耳にするようになりました。
国も企業も「リスキリングが大事だ」と言い、社会全体が「勉強し続ける大人」を理想として掲げています。
でも、その「学び」にはお金がかかる
この現実を、私はいつも冷静に見つめてしまいます。

先日、仕事関連の無料Webセミナーに参加したときのことです。
講師の方が自己紹介の中で、「私は今年すでにセミナーに10万円以上使ってしまっていて、今度の学会に行くお金がなくて困っている」と話していました。
どうやら、学会や専門セミナーにも積極的に参加しているそうで、まるで学生のように学び続けている印象を受けました。

その姿勢は素直に尊敬しました。
けれど同時に、「会社のためになるスキルを身につけているのに、なぜ自腹なんだろう?」という違和感も覚えたのです。


「学び直し」が自己責任になる社会

リスキリングとは、英語で“reskilling”、つまり「再びスキルを身につける」という意味です。
簡単に言えば、「時代の変化に合わせて、新しい仕事やスキルを学び直すこと」。

AIの台頭や業界構造の変化によって、私たちの仕事はどんどん入れ替わっています。
だから、国も企業も「自分のキャリアを自分で磨け」と言う。

だけど実際は、その「磨く」ための費用も、時間も、気力も、すべて個人の責任になっているのが現実です。

奨学金を返済しながら働く私のような人間からすれば、
「学び直しに10万円」と聞くと、胃がキュッと締まります。
だってその10万円があれば、奨学金の残りの返済額を少しでも減らせる。
家賃の足しにも、食費の余裕にもなる。

それでも、「学び続けなければ時代に取り残される」という不安があるから、
多くの人が貯金を削ってでもセミナーや資格取得に手を伸ばす。

なんだか、「リスキリング」という名の新しい自己責任社会を見ている気がしました。


無料セミナーの裏側で感じた「格差」

今回参加したWebセミナーは、無料でした。
ただ、無料といっても、もちろんボランティアではありません。
その裏では、そのセミナー関連の有料セミナーの広告宣伝や販売へとつながる仕組みがある。

私自身も無料だからこそ参加できましたが、
講師の人が「今年も10万円ほど自己投資しました」と言うのを聞いた瞬間、
「なるほど、やっぱりこの人は階層が違う」と感じてしまいました。

お金に余裕がある人ほど、さらにスキルを磨ける。
お金がない人ほど、学びの機会を逃す。

リスキリングの世界にも、貧富の差はある。

奨学金の返済に追われる私にとって、
「学び直し」は理想ではなく、贅沢のように感じるときがあるのです。


「学ぶ意欲」だけでは現実は変わらない

もちろん、「お金がないから学べない」という言い訳をしたいわけではありません。
私は勉強が嫌いではないし、資格を取るために6年間の大学生活を乗り越えた経験もあります。

でも、社会人になってからの「学び」は違う。
学生時代のように、時間もエネルギーも思うように使えない。
日々の仕事と生活費、そして奨学金の返済。
それらを抱えながら、さらに「学べ」と言われるのは、正直、酷です。

「学ぶ意欲があれば、誰でも成長できる」と言う人がいます。
けれど現実には、意欲の前に「環境」と「お金」が必要なんです。

夜勤明けで眠い中、無料動画を倍速で見ながら学ぶのは「意欲」ではなく「焦り」です。
焦りながら学ぶ人と、余裕をもって学ぶ人。
スタートラインが違えば、得られる結果も違う。

それが、今の「リスキリング格差」だと思います。


「会社のために学ぶ」のか、「自分のために学ぶ」のか

講師の方を見ていると、「自分のスキルアップを楽しんでいる」という印象でした。
純粋に学びが楽しいのなら、それは素晴らしいことです。

でも、私が感じたのは、「会社のためにリスキリングしている人」が多い現実です。
スキルアップした結果、評価が上がるならまだしも、
多くの企業では「学んで当然」「自分で成長してこい」と突き放すような空気があると思います。
私の会社はそういったセミナー参加などにお金を払ってくれますが、同業他社の話を聞くとそうではないようです。
私の業界だけの話なのでしょうか。

つまり、社員が学んでも、企業がそれを支援しない構造
これでは、結局「自己投資=自己犠牲」になってしまうのです。

私は思うのです。
「会社のためのリスキリング」ではなく、
「自分のためのリスキリング」でなければ意味がない、と。

会社が倒産しても、リストラされても、
自分の力で食べていけるスキル。
それを身につけるための学びなら、少しずつでも投資する価値がある。


お金をかけずに「学び直す」方法はある

とはいえ、現実問題としてお金をかけられない人も多い。
そんな私が実践している、実践したい、「低コストリスキリング」の方法をいくつか紹介します。

  1. YouTubeやPodcastで専門家の話を聞く
     学会発表や専門セミナーの内容を、一般向けに噛み砕いて話してくれる人が増えています。
     無料で一次情報に近い知識が手に入る時代です。
  2. UdemyやSchooのセールを狙う
     1講座数千円でスキルを体系的に学べます。
     タイミングによっては、1万円分の講義が90%オフで受けられることもあります。
  3. 自治体の職業訓練や無料講座を活用する
     地方自治体やハローワークが主催する講座は、意外と実践的です。
     無料でも、質の高い内容が多いです。
  4. SNSで同じ志の人とつながる
     勉強仲間がいると、モチベーションが下がりにくいです。
     孤独な戦いを続けるよりも、学び合う方が長続きします。

こうした工夫を積み重ねれば、お金をかけずに「学び直す力」はついていきます。

今は無料や低コストで非常に内容の充実した学習教材や環境が手に入れやすい時代だと思います。
逆に、高額な方が、開催者がお金を稼ぐだけの目的で開催され、内容が薄っぺらい場合もあります。

学び続けることで、セミナーの質、講師の質が見抜けるようにもなってくると思います。


「お金がないから学べない」と言いたくないからこそ

私は、貧困の中で育ち、父を亡くし、母子家庭で3浪して私立大学に進学しました。
6年間で得た国家資格は、確かに人生の土台になりました。
でも、奨学金という借金が2100万円以上残りました。

私についてはこちらの記事を読んでください。

そんな私が今、もう一度「学び直したい」と思ったとき、
まず頭に浮かぶのは「お金の心配」です。

それでも、
「お金がないから学べない」と言いたくない。
だから、無料でもできる範囲で、少しずつ学んでいます。

学びとは、「理想的な未来を手に入れる力」ではなく、
「現実を少しでもマシにする努力」だと、今は思っています。


結論:リスキリングにお金は必要か?

最後に、タイトルの問いに戻ります。
「リスキリングにお金は必要か?」

答えは、「必要ではあるが、十分条件ではない」です。

お金があれば確かに効率よく学べる。
でも、どれだけ投資しても、学びが自分の血肉にならなければ意味がない。

そして、たとえお金がなくても、
「無料でもできる努力」を積み重ねる人は、確実に変わっていく。

だから私は、こう思うのです。

お金がある人は、時間を買って学べばいい。
お金がない人は、時間をかけて学べばいい。

どちらも、前に進むための立派なリスキリングです。


まとめ

  • リスキリングにはお金がかかるが、個人負担が前提の社会は不公平。
  • 無料でも質の高い学びの機会はある。
  • 「会社のため」ではなく「自分のため」に学ぶことが大切。
  • お金がなくても、時間と工夫でスキルを磨ける。

以上、2100万円の奨学金を抱えながら、
今日もなんとか生きている私の、現実的なリスキリング論でした。

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